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狂言 第17回よこはま「万作・萬斎の会」 [雑記]

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狂言を観に横浜能楽堂へ行ってきました。


野村萬斎の狂言を観たい
と以前から妻が言っていたのですが、
私も狂言を観に行った事がなく、
どこで観られるのか、
チケットはどうやって取ればいいのか、
全くわかりません。

野村萬斎氏の公園情報は、万作の会にありました。
それによると、国立能楽堂での公演、地方公演、薪能での公演などがあります。
その中に、今回の横浜能楽堂の「万作の会」の公演がありました。
国立能楽堂は知っていましたが、
横浜に能楽堂があったとは、寡聞にして知りませんでした。
ざっと見た限り平日が多そうですが、横浜能楽堂の公園は土曜日なので出かけられそうです。

問題はチケットの入手。
狂言は、一か月単位で行われる歌舞伎と違い一回きりの公演
座席数も少なく、横浜能楽堂は486席です。
狂言や万作・萬斎の固定ファンは少なくないようで、チケットの入手はかなり大変との事。
国立能楽堂公演であればあぜくら会で先行予約が可能なので少しは入手が楽だと思いますが、
今回は、万作の会の公演なのでチケットぴあでの発売でした。
チケットが取れたら行ってみよう。
それくらいの気持ちで発売当日にぴあにアクセスしてみると、
二階席の端しか空いていません。
初めてだしいいか。
二階席は四千円でした。


当日、色々とトラブルがあり出かけるのが遅くなってしましました。
横浜能楽堂は駐車場がないので市営地下鉄で桜木町まで。

最初の演目「栗焼」がすでに始まっていて、
「扉の前で見ていただく事になりますが」と言われましたが、二階席だったので席で見ることができました。

能楽堂の座席は「見所」と言います。
横浜能楽堂 座席(見所)
リンク先を見ていただくとわかりますが、
能楽堂の座席は、
舞台正面の正面
目付柱に向く中正面
舞台を横から見る脇正面
がありますが、
二階席があるのが横浜能楽堂の特徴です。
私たちの席は二階席の二列目右端でした。
正面から舞台全体と演者が入退場する橋掛かりが見られるので、
とてもわかりやすい席だと思いました。

「栗焼」
主人から栗を薬用に申し付けられた使用人の太郎冠者が、
旨そうに焼けた栗に我慢が出来ずすべて食べてしまいその言い訳をする話。
野村万作の太郎冠者が栗を焼く所作がコミカルで面白い演目でした。

休憩を挟んで野村万作の芸談
この芸談がとても興味深いものでした。

今日は、台本では「主人は愚かな人だから」と言うところをと「主人は心やさしき人だから」と変えた。
狂言は主従の暖かい関係を表現するものだから、「愚かな人」はおかしいと思っていた。
色々な資料にあたって古い台本に「やさしき人」とあるのも見つけて自信をもった。

私のように師匠も先輩も少なくなってまいりますと、台本が師匠です。
芸に対する真摯な態度には感動を覚えました。

自身が出演した木下順二「子午線の祀り」を演出した宇野重吉の言葉
「思えば出る、思わない事はするな」
を引き、古典芸能はまず形という「思わない事」を覚える
形が身についてそこで初めて思う事が出るようになる
やっと同じところにたどりつける

私自身の体験として、弓道を通して日本古来の伝統は形にあると思っていました。
80年にならんとする芸歴の重要無形文化財の万作氏とは比べようもないのですが、
形の先にあるものという境地というのはとても良くわかる話でした。


「煎じもの」
人々があつまって祭の囃子の稽古をしているところに煎じもの売りがあらわれ、
祭の囃子にのって薬湯を売ろうとする。
「時雨の雨に濡れじとて 鷺の橋を渡いた 鵲の橋を渡いたりや さようのう」
という謡いが繰り返されて、「煎じもの 煎じもの お煎じもの召せ」と煎じもの売りが繰り返す
深田博治の謡と舞が舞台の流れを作っていて、
煎じもの売りの野村萬斎の良く通る声と軽やかな所作が楽しい演目でした。

14時始まった公演は、16時に終わりました。

初めて狂言を観ましたが、
言葉は難しいですが聞き取りやすいく、
理屈抜きで面白い所作やリズム等、とても楽しく観ることができました。
ぜひまた出かけてみたいと思っています。





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