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狂言 第19回よこはま「万作・萬斎の会」 [雑記]

2018-07-15 13.45.03.jpg

狂言を観に横浜能楽堂へ行ってきました。
昨年の横浜公園は、忘れてしまったのですが、
今回はプレイガイドの抽選に当選しました。
しかし、座席は脇正面通路の後ろ、
劇場の一体感はそがれますが、独立しているので初心者としては気が楽です。



蟹山伏
修行を終えて羽黒山に戻る山伏と強力が蟹の精と遭遇する。
蟹に耳を挟まれた強力を法力で助けようとする山伏だが自らも蟹に挟まれてしまう。
山伏 野村萬斎
強力 野村太一郎(八世野村万蔵長男)
蟹の精 野村裕基(野村萬斎長男)

強力から生不動と持ち上げられて気を良くする山伏が、
蟹の精を前に何もできないこっけいさに、山伏にたいする皮肉が込めれれています。
野村裕基はまだ体の線が細くて、腰が高い印象。
引っ込むときに橋に向かうはずが舞台から落ちてしまいました。
横に走らなければならない蟹の役なので難しいのでしょうね。
萬斎が何事もなかったように台詞を続けて引っ込むと、
最後に裕基も引っ込んでいったので大丈夫だったようです。


月見座頭
中秋の名月、座頭が虫の音を聞いていると洛中の男がやってくる。
互いに古歌(秋風にたなびく・・・月見れば・・・)詠んだことで意気投合に、
酒を酌み交わし謡い舞う
そして分かれていくが、ふと何か思った洛中の男は、戻って座頭を突き飛ばして戻っていく。
座頭 野村万作
洛中の者 高野和憲

人の気まぐれと残酷さを表現してる
後の万作の芸談では、洛中の者との対比として洛外に住む人への差別があったのではないかとのこと。
特に洛中・洛外の対比については強調しないいようにしている。
万作は、古典だとしても現代的倫理観を取り入れていかなければならないと考えてると話していました。


吹取
名月の夜に五条橋で笛を吹けば妻が現れると夢のお告げがあった男。
自分は笛が吹けないので何某に頼む。
気乗りのしない何某を連れて五条橋で笛を吹かせると、女が現れるが、
その女は何某に寄り添ってしまう。
話が違うという男とまんざらでもない何某、
しかし女の顔を見て二人ともびっくり、譲りありが始まる。
何某 野村萬斎
男 深田博治
女 飯田豪

萬斎が実際に笛を吹く。
コメディとしては面白いのですが、先ほどの万作の話に照らすと、
これは醜女をネタに笑う話になるので、根底にあるのは容姿に対する差別だよなぁと思ってしまう。
もちろんそのような事で古典が批判されたり上演されなくなるとすればそれは望ましくないと思うのだけれど。







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