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西股総生氏ガイドツアー 茅ヶ崎城・小机城 [城巡り]

クラブツーリズムの
ナワバリスト 西股総生氏がご案内 関東の要塞連郭式平山城 「小机城跡」「茅ヶ崎城跡」に参加して来ました。

西股氏と言えば、昨年の大河ドラマ「真田丸」の軍事監修として有名になりましたが、
「戦国の軍隊」「土の城指南」など軍事的な視点から歴史や城を解説した著書に感銘を受けました。


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10時にセンター南駅に集合

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こんなレシーバーを渡されるので、少し離れても解説を聞くことができます。
茅ヶ崎城と小机城の縄張り図をコピーして持参しましたが、資料として配られました。

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茅ヶ崎城に移動

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開発される前は西郭の西側は駅方面まで台地が続いていたとのこと。
丘の先端だったのですね。
後で公園内に古い航空写真が掲示されていて、
西郭から家を挟んで台地が続いていました。
この家の場所は堀切なのか造成されたのか興味のあることろです。

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「西郭の下に空堀があるよ」
前回来たときは腰郭だと思っていました。

東郭と中郭の空堀に土橋があります。
「発掘調査の結果盛土だと分かっているので、後の改変の可能性が高いのではないか」
「なぜなら、土橋を作るなら削り残すはずで、
一度削った堀切に盛土をするような非効率的な事はしない。」
なるほど。

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「中郭が本丸だと思います。東郭の方が高いけど、狭すぎる」

「中郭東側に堀が見つかっています。これが馬出しになっているんですね。」

確かに、中郭の南側に入口がありますが、
その付近から北に向って一段低くなっている部分があります。

私は、最高地点である東郭を本丸だと考えていましたが、
中郭を区切って馬出しを作っているとすると、
中郭が最重要だと考えていたようです。
東郭から中郭が丸見えなのが問題だと思いますが、
その対応として馬出しを設けて防御しようとしたのでしょう。



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「中郭の南側の土塁が北側に比べて高いのは、
南側は丘を削り出して、北側は盛土しているからです。」

「この城の縄張りは、それぞれの郭が各自でがんばって防御するというものだと思います」
「最終的には秀吉の小田原攻めの前に現在の形に改修されたのではないでしょうか」

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桜が満開でした。

ここで昼食の為に一時解散、小机駅で集合となりますが、
ほとんどの人はセンター南で昼食となったようです。
センター南からの電車の時刻も何便か指定されました。
私たちは弁当を持参したので茅ヶ崎城の中郭で昼食にしました。

センター南では、一行と同じ電車に乗ったのですが、
新横浜の乗り換えに間に合わず、数人で一本遅れての小机到着。

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小机城は初めて訪れます。


「小机城は丘の先端に位置していて、周りは鶴見川の氾濫原でした」
今でも鶴見川は少し雨が降ると増水して、新横浜公園は簡単に浸水しますからね。
流域に住んでいると親身な話です。

「小机城は長尾景春の乱で大田道灌に攻められましたが、そのころの小机城は規模も小さく、
現在の小机城はやはり北条氏の改修によるものだと思われます。」

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空堀を歩いて西側の郭へ


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西郭櫓台前
「江戸時代の絵図には西側にもう一つ櫓台が書かれていました。」

その櫓台の東、東郭の南東が当時のアプローチ。

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「関東の土の城は郭を土塁で囲んでいます。
後世に崩されてても、よく見ると土塁の基礎が残っていることがあります。
土塁の基礎は硬く突き固められているので簡単には崩せないから残るんですね。
ここも土塁基礎部分だと思われます。」

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「空堀は直角に交差させるずに必ず折り曲げています。
さらに段差を付けて、見通しと行動を抑制しています。」

「これだけの空堀を築いたと言う事は、逆に言えばこれだけしなければ守れなかった。
秀吉の小田原攻めで侍は小田原に詰めてしまったので、少ない人数で農民兵でも守る工夫でしょう」

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東郭虎口
「土橋は櫓台の真下を通らねばならず。
空堀の先が馬出になっていますが、そこを占拠しても櫓台から狙い撃ちされて拠点にならない。
北条流のえげつない縄張りです。」


中郭
「中途半端な感じがする中郭ですが、
南側の見通しを考えるとどうしてもここに拠点を置きたかったのでしょうね。」

西側、富士見台
「自然地形のままなので城域ではない、あっても物見くらいでしょう。
逆に言えば、ここまでを城域にできるほどの人数はいなかった。
だから捨てたのでしょう。」


公園化された城なので体力的にはたいした事はないだろうと思っていましたが、
詳しく見て歩くとなかなか疲れました。
現地で解説を聞くことができてとても貴重な体験でした。



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ねじまき鳥

専門家の解説を聞くと城の見方も深まりますね。

by ねじまき鳥 (2017-05-08 14:38) 

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