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中津城 [城巡り]

セントレア(中部国際空港)に一泊して妻の祖母の墓参の為に下関に向かいました。
セントレアからは、山口・北九州に航路がないので福岡に飛びます。
福岡からレンタカーを借りて、少し足を延ばして中津城に向かいました。
犬山城に続いて旧藩主(関係)所有の城です。

宇佐神宮や国東半島は訪れた事があるのですが、中津城は見ていません。
当時の私は、
存在しない天守がコンクリートで作られている城
コンクリートで天守が復元されている城
役所や学校などが作られ改変されてしまった城
は優先度を下げていました。

福岡到着が午後で翌日の下関移動を考慮して小倉泊だったので、
この日は行動範囲が制限されます。
今回は城めぐりが目的ではないので、
少し引いた気持ちで、いままで避けてきた城を訪れる事にしました。

DSC00835_R.JPG
天守です。
中津城を避けた理由がこの天守でした。
この天守は全く史実に基づかない模擬天守です。

それでも、板張りを模した外壁て望楼が小さい古い様式の天守は様になっていますが・・・

DSC00841_R.JPG
この角度から見ると、櫓台に比べて構造物が大きくバランスが良くありません。
江戸時代の絵図によると、この位置には二層の隅櫓がありました。

ところで、この写真の右下で妻と遊んでいる人懐こいネコは・・・

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このネコです。
中津城にもネコがいました。


中津城は黒田官兵衛によって築かれました。
しかし後の細川忠興によって大規模な改修が行われています。

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有名な石垣の継ぎ目
右が黒田、左が細川によって詰まれました。

DSC00840_R.JPG
中津川沿いの石垣も黒田時代のものです。
江戸時代の絵図によると、写真奥に見える櫓台あたりに三層の櫓が画かれています。


DSC00831_R.JPG
西門跡
絵図によるとこの遺構は虎口の横矢で、一層の櫓が画かれています。
門はこの写真の右側、ちょうど道なりの位置に画かれています。
この先に水門跡があります。

中津城で特記すべきは、おかこい山と呼ばれる総構が現存する事ですが、
到着時にすでに夕刻で見る事ができませんでした。


DSC00851_R.JPG
赤壁寺の通称で知られる合元寺です。
黒田長政によって城井鎮房が謀殺されたおり、鎮房の家臣団がこの寺に籠って抵抗、
その血が壁に残って落ちないので赤く塗ったという伝説があります。

大河ドラマの官兵衛人気にあやかろうと、
そこかしこに官兵衛を模したキャラクターの旗が立っています。
トイレを借りるついでに官兵衛の資料館をのぞいてみましたが、
ドラマ関係の展示が目につき、歴史的資料と言えるような物はありませんでした。

事前の勉強で中津城公式サイトを調べてみると、
中津城と奥平氏の歴史と題されていいるものの奥平氏を顕彰し、
家康の血筋を強調すのみで辟易してしまいました。
確かに家康の娘を妻とした奥平信昌は長篠の戦いで大きな功績があり、
その子は家康の孫として奥平家は譜代で重きをなしましたが、
ひ孫昌能は、家中の刃傷事件で公正な裁定ができなかった為に混乱と家臣の離反を起こし、
また不用意な一言で家臣が幕府の禁じる殉死をしてしまい減転封されています。
昌能には臨終に際し後継がなく、
正規の手続きを経ない末期養子でなんとか家名を繋ぐことができました。
それが中津に封じられた昌成の父である昌章です。
五代藩主昌高は島津家からの養子です。
幕末、小倉を占領されても戦った小倉藩に比べ、
中津藩は早々に新政府に付き、会津にまで出兵しました。
長い歴史のなかでは当然このような事もあります。
そのため、
同じような視点で奥平氏関係の資料が展示されているであろう天守には入りませんでした。

やはりというか、ため息の方が多かった中津城でしたが、
史跡としての中津城には全く責任がなく、すべては人間の欲望の発露と軽挙の結果です。
しかし、学術的な発掘調査を基に石垣の復元整備が行われている事を知り、関心するとともに安心しました。
保存と学術調査そしてそれに基づいた復元があるべき姿だと思います。



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ねじまき鳥

な中津城の運営は中津市ではなくて、民間で、破産したそうですが、どうなったのかな?
by ねじまき鳥 (2015-03-17 19:55) 

evergreen

天守は売却したそうですが、
土地はまだ奥平氏関係が所有しているようですね。
中津市は、石垣の調査復元をしているので、
中津市に任せれば、史実に近い復元があるかもしれませんが。
by evergreen (2015-03-17 20:12) 

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